鳴尾浜計造-Blog

書いた記事を後から修正する事が多くてすみません。(・ω・;) 鳴尾浜計造です。
このブログではWEB上に散在する鳴尾浜タイガースに関する記事ヘリンクを張ったり
鳴尾浜に関するマニアックなデータを掲載したりします。
一軍を取り扱う事も多いですがね。
 





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FA移籍 人的補償 プロテクト
日本プロ野球選手会公式ホームページ/野球規約・統一契約書ほか
野球協約等の掲載について

野球協約2007年度版(PDF,411KB) 42ページ
第205条 (球団の補償)
 日本プロフェッショナル野球組織に所属する他の球団に在籍していたFA宣言選手と選手契約を締結した球団は、当該選手の旧球団にたいし金銭および選手を補償しなければならない。[2000.7.17改正]

(1)金銭による補償は、当該FA宣言選手が最初のFAの権利行使の場合は旧球団と契約した統一契約書に明記された前参稼報酬年額の80%、反復のFAの権利行使の場合は旧球団と契約した統一契約書に明記された前参稼報酬年額の40%とする。
[2000.7. 17、2001.9.21、2003.7.7改正]

(2)選手による補償は、当該FA宣言選手と選手契約した球団が保有する支配下選手のうち、 外国人選手および同球団が任意に定めた28名を除いた選手名簿から旧球団が当該FA宣言選手1名につき各1名を選び、獲得することができる。前記の選手名簿の旧球団への提示はFA宣言選手との選手契約締結がコミッショナーから公示された日から2週間以内に行う。選手による補償が重複した場合は、当該FA宣言選手と選手契約した球団と同一連盟の球団が他の連盟の球団に優先する。また同一連盟内においては、当該年度連盟選手権試合の勝率の逆順をもって、球団の優先順位とする。
[2000.7.17、2003.7.7改正]
ただし、旧球団が選手による補償を求めない場合は、前記1号の金額に50%を加算した金額の補償をもって、選手による補償にかえることができる。
補償例
最初のFAに対するもの
 人的補償あり=旧年俸の80%
 人的補償なし=旧年俸の120%
反復のFAに対するもの
 人的補償あり=旧年俸の40%
 人的補償なし=旧年俸の60%

(3)前記1号、2号すべての補償は、コミッショナーから当該選手の契約締結の公示が行われた後、40日以内に完了しなければならない。ただし、金銭による補償については、旧球団の同意がある場合は、期間を延長することができる。

(4)FA宣言選手がFA宣言した年の翌々年の11月30日まで日本プロフェッショナル野球組織に所属するいずれの球団とも選手契約を締結せず、FA宣言した年の翌々年の12月1日以降、日本プロフェッショナル野球組織に所属するいずれかの球団と選手契約を締結した場合、そのFA宣言選手と契約した球団は旧球団にたいしての補償を必要としない。
[2000.7.17追加]

[注1] 前記2号の規定により、指名された選手はこれを拒否することはできない。拒否した場合は、同選手は資格停止選手となり、旧球団への補償は前記2号のただし書きを準用する。[1998.11.18改正]

[注2] FA宣言選手がFA宣言した年の翌々年の11月30日までに日本プロフェッショナル野球組織に所属するいずれかの球団と選手契約を締結したときは、その球団は当該FA宣言選手の旧球団にたいして前記1号および2号の補償を必要とする。
[2000.7.17改正]
野球協約で明文化されてるのはこれだけ。ほんとにこれだけ。
とかいってたら次のページの(4)以降を引用するの忘れてた orz 修正しました。

新井貴浩の場合、FA1回目で推定年俸12300万円(サンスポ)
 9840万円の金銭補償+人的補償1名
 14760万円の金銭補償(人的補償なし)
のどちらか。差額は4920万円。ドラフトで 有望新人選手の獲得時にかかる費用を考えると(契約金で5000万円ぐらいは軽く越える)、将来有望そうな二軍選手がプロテクトから漏れていた場合は獲得しておいた方が得になりそう。(すでに二軍で好成績を上げているレベルなら特に。これはと見込んでドラフト上位で獲得した選手でも、二軍レベルについていけないこともありますし。)
2007年度 フリーエージェント宣言選手 (NPB公式)
野球 12月公示 (スポニチ)
11日
<コミッショナー公示>
【FA宣言選手契約締結合意】
▽阪神 新井貴浩
この後のタイムスケジュールは
プロテクトリストの広島への提出 2週間以内 12月25日まで
人的補償手続きの完了      40日以内  1月20日まで

人的補償の対象となる「球団が保有する支配下選手」について、この時期に最も確実な資料は契約保留選手名簿
2008年度 契約保留選手(阪神タイガース)(NPB公式)
コミッショナー公示 (時事通信 07.12.03)
【保留球団変更】▽阪神・阿部健太投手、平野恵一内野手▽オリックス・吉野誠投手、浜中治外野手(いずれも移籍による)(了)
野球協約2007年度版 16ページ
第69条 (保留されない選手)
 支配下選手が契約保留選手名簿に記載されないとき、その選手契約は無条件解除されたものと見做され、コミッショナーが12月2日に自由契約選手として公示する。
[1998.11.18改正]
つまり、FA人的補償の時期の選手の身分は以下のどちらか
・支配下選手
  = 契約保留選手名簿に記載
・非支配下選手 (FA宣言して契約未締結 or 自由契約 or 育成契約)
  = 契約保留選手名簿に記載されず


 契約保留選手58人から J.ウィリアムス と R.ボーグルソン を除いた56人から28人をプロテクト。プロテクト外の28人から人的補償の対象選手が選ばれることに。



ーーー人的補償についての疑問をいくつかーーー
 FA移籍した本人 (この場合 新井) はプロテクトに含める必要が有るのか? 野球協約に明記はされていないのですが、「選手契約締結合意 ≠ 契約締結」で人的補償の手続き中はまだ支配下選手ではないのでプロテクトリストとは関係ないのでしょう。たぶん。

 補償をする球団からFA宣言(残留見込み)した選手は契約締結を遅らせることで「今は支配下選手ではない」と主張し、人的補償の対象となることを免れることが運用上可能。明文化されていない部分ではありますが... 保留選手とFA選手
阪神が広島に郵送…プロテクト名簿 (デイリー 07.12.22)
28人のプロテクトから外れた選手(今秋ドラフト新人、外国人、FA宣言の下柳を除く)のうち1人が広島移籍となるのは確実だ。
契約保留選手名簿に下柳の名前載ってませんしね。


 トレードで獲得/放出した選手は契約引継ぎに空白期間をつくるわけにはいかないので、FA残留のように「今は支配下選手ではない」と主張する裏技は使用できず?
野球協約2007年度版 24ページ
第110条 (譲渡公示の手続)
選手契約の譲渡が有効に成立するためには、譲り受け球団は 選手契約譲渡協定書と譲り渡し球団の統一契約書を所属連盟会長に提出して、契約譲渡の承認を申請しなければならない。前項の申請を受けた連盟会長は、その選手の譲り渡し球団の支配下選手登録抹消手続きを完了した後、譲り受け球団の支配下選手として登録し、これを公示する。
また、同選手が保留選手である場合、連盟会長はコミッショナーにたいし、その選手を保留する球団の変更の公示を申請しなければならない。
トレード(2007年度シーズン終了後 〜 次年度シーズン前)
(NPB公式 選手登録)

2007/12/3 阿部 健太  投 手  オリックス → 阪神
     〃  平野 恵一  内野手  〃
2007/12/3 吉野 誠 投 手 阪神 → オリックス
    〃  濱中 治 外野手 〃
2007/11/9 金村 曉  投 手 北海道日本ハム → 阪神
2007/11/9 中村 泰広 投 手 阪神 → 北海道日本ハム
セ・リーグ公示 (時事通信 07.11.09)
【支配下選手登録】▽阪神・金村暁投手
 【同抹消】▽阪神・中村泰広投手(了)
コミッショナー公示 (時事通信 07.12.03)
【保留球団変更】▽阪神・阿部健太投手、平野恵一内野手▽オリックス・吉野誠投手、浜中治外野手(いずれも移籍による)(了)
 保留球団変更と支配下登録の差はよくわからない。12月になって野球協約が定める参稼期間外だから手続きが違ってくるのかな? スポニチで12月の公示を見る限りでは「元の所属先球団でいったん支配下登録 → 支配下登録抹消 → トレード先の球団で支配下登録」の順で手続きをしている。そして、濱中 吉野 ←→ 平野 阿部健 のトレードだけこの手続きがとられていないように見える。なんでだろ? プロテクト逃れの裏技があったりするのか?
 仮に 平野 阿部健 が球団が保有する支配下選手では"まだ"無いと主張するとすれば、今度はトレードの性質上 濱中 吉野 が"まだ"支配下選手のままになり、「濱中 吉野 をプロテクトせず→ 広島が 濱中 吉野 のどちらかを人的補償に指名 → トレードが破談」 という事態があり得るので、プロテクト逃れの効果はないと思うが。

 そういえば西武の福地選手は12月ということもあって、契約更改済み(スポニチ 07.12.12)でも「契約保留選手」扱いだったようですが、石井一久選手のFA移籍に伴ってヤクルトから人的補償に指名されました。(07.12.21) 人的補償に指名された後で「元の所属先球団でいったん支配下登録 → 支配下登録抹消 → トレード先の球団で支配下登録」の手続きに入った様子。


 一見すると人的補償に関係ありそうで実は無い第142条
野球協約2007年度版 32ページ
第142条 (契約制限)
 球団と選手契約を締結した新人選手にたいしては、その選手の支配下選手公示の日から同公示のあとに行われる年度連盟選手権試合シーズン開始前日まで、他の球団が契約譲渡またはウエイバーにより、その選手契約を取得することはできない。前記の期間中その選手が自由契約選手となったときといえども同じとする。
 また、選択会議において、選手契約の交渉権を取得した球団は、その選手にたいし方法のいかんを問わず、他の球団に契約を譲渡することを条件として選手契約を締結することはできない。
[1974.9.7追加、旧(契約条件)削除、
1978.8.21(11.22発効)、1980.2.13改正]
FA移籍は日本シリーズの後で処理される案件なので入団後1年目の選手(今年の新井FAを例に挙げると、阪神では 小嶋 上園 清水 大城 野原 橋本良 横山)でも第142条の適用外。この秋にドラフト指名された選手(今年だと 高濱 森田 清原 白仁田 石川 黒田 )が早めに支配下選手公示された場合に初めて関係が出てくる。
 その年のドラフト入団組は契約締結を遅らせてプロテクトを免れる手をとっていると思ったけど、その必要はなかったのね。

念のため、「新人選手」の定義確認
野球協約2007年度版 28ページ
第133条 (新人選手)
この協約において新人選手とは、日本の中学校、高等学校、日本高等学校野球連盟加盟に関する規定で加盟が認められている学校、大学、全日本大学野球連盟の理事会において加盟が認められた団体に在学し、または在学した経験をもち、いまだいずれの日本の球団とも選手契約を締結したことのない選手をいう。日本の中学校、高等学校、大学に在学した経験をもたない場合であっても、日本国籍を有するものは新人選手とする。
トレードで入団した選手に対して「阪神には初めて入った選手だから新人選手だ!」みたいな主張は出来ないから。


新井獲りで金本を!?プロテクト外しのウルトラC
(zakzak 07.11.12)

プロテクトのリストは門外不出の極秘資料なので、「なぜ金本を外した」とファンの怒りを買う恐れもない。
 プロテクトリストの非公開については野球協約では明記されてないものの、球団間での申し合わせで決まってるんでしょうね。これまでのところ、それなりに守られているようで。
 日本は厳密な契約社会ではないので、明文化されていないルールが無いとは言えないのが悩ましい...
大型補強で投打に厚み 新井補償の主力級狙う
(中国新聞 07.12.20)

現在はお互いに腹の探り合いの段階だ。慎重に進める方針で、決まるのは年明けだろう。ただ、今岡誠内野手のような主力をプロテクトのリストから外してきたら、高額年俸であっても取りにいく気はある。



 人的補償でとられそうな選手をかたっぱしから自由契約にしてしまえば「支配下選手ではない」ので人的補償は免れますね。もちろん自由契約にされた選手は自由に他球団と契約できるので阪神に戻ってきてくれるとは限りませんが。任意引退選手は保留権を球団がもっているので「支配下選手」。育成契約にした場合は...支配下選手ではなくなりプロテクト逃れられる? けど、中日 金本明博選手の騒動を考えると実現は不可能でしょうね。


来年度以降の人的補償制度変更の動き
NPB12球団代表者会議開催…FA権1年短縮を選手会に提示
(サンスポ 07.11.28)

 05年にNPBは選手会に対し、契約更改交渉での年俸の減額制限を最大50%まで認めることを条件に、8年への短縮を提示したが合意に至らず。この日も減額制限の了承を条件にする声が多かったが、短縮の方針は合意された。FA移籍選手の補償金は削減する方向だが、人的補償のプロテクト枠(現行28人)を狭めることを議論。選手会には現行6月30日までのトレード可能期間を、7月末まで延長することを要求する。
FA取得年数 8年に短縮へ (スポニチ 07.11.28)
選手会が求めるFAによる補償金の撤廃については、広島から提案された人的補償のプロテクト枠(外国人選手を除いた28人)を狭める案などが議論された。

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